Neutral football

イメージした理想が現実を塗り替える。フットボールと社会をつなぐ

君たちはどう生きるか

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吉野源三郎 著『君たちはどう生きるか 』を読みました。

 

君たちはどう生きるか - Wikipedia

 

80年前に書かれた、歴史的名著。ただ恥ずかしながら自分がこの作品を知ったのは、ジブリ宮崎駿監督が引退を撤回し、この作品をモチーフにした次回作をつくる、と宣言してから。
タイトルも、そのまま『君たちはどう生きるか』にするらしい。

 

この胸を直接ズシリと突いてくる刺激的なタイトルにも触発されて、さっそく購入。読み始めたのは、大阪へと向かう飛行機の中だった。

 

この作品の主人公・コペル君と、父親がわりの「叔父さん」の物語。

コペル君が友人たちと過ごす日常の中で起こる出来事、そして、叔父さんがコペル君に宛ててノートに書き記した「ものの見方、考え方、社会の仕組み、その中での、自分とは何か」を軸に物語は進む。

天動説から地動説へ。自分は社会の分子に過ぎないことを知る。これは、大人になっていくための大事な思考変化なんですね。

僕はこれからジュニアユースを始める。それを、自分で勝手に師と仰ぐ方に伝えに行くために大阪へ向かった。その飛行機の中で偶然読み始めた本の主人公・コペル君は、中1の設定。
僕がこれから出会うのも、中1の子達。この巡り合わせにまずグッときて

コペル君にたくさんのことを教える叔父さんは、決して正解を教えるのではなく、あくまでも見方、考え方を教えてくれる。僕にとってのあの方のように、だ。

僕はこれから、中学生となり夢を持って会いに来てくれるまだ見ぬコペル君たちにとっての、新たな「叔父さん」にならなくてはいけない。

そう考えたら、この旅の始まりにこの本を読み始めたことの巡り合わせと運命にただただ胸がときめいて、飛行機の中で景色すら見る間もなく、一気に引き込まれて読み入ってしまった。

 「君たちはどう生きるか

自分がどう在りたいか。そこを突かれる作品です。
叔父さんから「明日わかるかもしれないし、一生わからないかもしれないけれど」と出された問題。コペル君は自分でその答えを見つけました。

そして最後、作者の吉野源三郎さんが僕らに問いかけます。「君たちは、どう生きるか」と。

自分はどう在りたいか。= どう生きるか。
僕は選手たちにとっての「叔父さん」になろうと決めたのだ。

 

最後に
物語の後半、心が壊れかけて病に伏すコペル君に対し、お母さんが自分の少女時代の話をするシーンがあるのけれど
コペル君がなぜ心を壊れかけさせているのか、直接聞かなくてもそれを察し、自身の体験を優しく話してくれるお母さんの愛情。ここは何回読んでも涙してしまう。

本当に、たくさんの人に読んでほしい一冊です。漫画版もいいけれど、できれば活字版で。