Neutral football

イメージした理想が現実を塗り替える。フットボールと社会をつなぐ

真のヒーロー

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先日、練習後の夜にコインランドリーでビブスの洗濯をした。

洗濯が終わるのを車の中で待つ。洗濯が終わり、さぁ帰ってW杯観ようと思ったら、全くエンジンがかからない。
バッテリー上がった…こんな夜遅くにマジかよと途方にくれて、仕方がないのでJAFを呼んだ。深夜23時過ぎのことだった。

ほどなくJAFが来てくれて、その場で車をチェックしてくれた。結果、バッテリーが上がったのではなく(むしろ正常)これは確実にオーバーヒートですねと。
その原因はエンジンオイルが不足していることと、冷却水もないことだと。
「ほら見て下さい、ここに緑色の斑点みたいなものがありますよね、これは冷却水が漏れた跡なんですよ。どこかで漏れてしまったのかもしれませんね」って。

冷却水を入れたり、その他、その場で出来る簡単な応急処置をササっとしてくれて、車は復活。エンジンも問題なくかかり、自走できる状態に。

具体的に今後どうすればいいか、何に気をつけながら運転すればいいか、もしまた同じような状態になったらすべきこと、そして修理に持って行くならあそこがいい…
と、深夜に車が急に動かなくなるという事態に慌てふためき心が乱れていた僕を、スーッとクールダウンさせ安心させてくれる説明を、とってもわかりやすくしてくれた。

うわべでもなくカッコつけでもなく、心の底から「こんな夜遅くに、ありがとうございました」というお礼を言わずにはいられなかった。

そんな恐縮する僕の声にも「いえいえ、とんでもないです」とだけ笑顔で返し、その方(推定48歳、佐藤二朗さん似)は颯爽と帰って行ったのだった。

ヒーローだ。素直にそう思った。

そういえば今の家に引っ越した2年半前、引っ越し屋さんの手際の良さと効率的な仕事ぶりにただただ感心させられた。それだけでなく、こちらの「大事なもの」を察してくれて、それはさらに丁寧にカバーして運んでくれたりした心遣いにも、感動したものだった。

引っ越し屋さんだけじゃなく、洗濯機を運んで来てささっとセッティングしてくれた街の電気屋さん、ケーブルテレビの接続をしに来てささっと帰って行ったケーブルの人、その他…
いろんな業種の人が、すべてこちらの指定した時間に来てくれて、ひと仕事して、ささっと帰って行く。
誰かの暮らしは誰かの仕事で出来ているし、街は皆の仕事で回っているんだなぁと、その時とても実感した思い出がある。

JAFの人も引っ越し屋さんもケーブルテレビの人も、皆ヒーロー。半端ない大迫もセネガル戦で同点ゴールを決めたケイスケ・ホンダも確かにヒーローだけど、本当のヒーローはもっと身近にいる。
困った時や必要な時に助けてくれて、すかさず駆けつけ、問題を解決し、偉ぶらずにさっと帰って行く。

こういう人達こそ、真のヒーローだ。

ヒーローは、言い換えればプロフェッショナル。プロフェッショナルな人達による「その人達からしてみれば当たり前のこと」で僕らは救われることが多いし、何より、市民の生活は回っているんだなぁ。

そう考えると、サッカーコーチってあまり必要ない仕事だよねと、自虐的に考えた夜なのでした。