Daisuke Kubota 〜 Neutral football

Footballで社会をつなぐ。現実の殻を破る。日常を笑い飛ばそう

無意識を超えるプレーが最強

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たぶんこの人も、ほとんどのプレーを覚えてなかったんだと思う。

 

「練習とは、意識すれば出来ることを、無意識でも出来るようにしていくこと」なんて、よく言われる。僕もこれ言うし。実際その通りでしょう。

意識しても出来ないことが、そのうち意識すれば出来るようになり、意識しなければ出来ないことを、意識しなくても出来るように。

僕は、さらにその上があると思ってます。
『そのプレーをやったかどうかすら、覚えてない状態』
この領域が、たぶん最強だと思う。

 

実は土曜の夜に都立国際女子サッカー部でコーチしていた頃の教え子に会って、飲みながらたっぷり話す機会があった。彼女は今、大学3年生。
彼女が現役当時に書いていたサッカーノートの話になって、彼女が言ってたのは
「私、ゲーム中のプレーなんて、終わった後はいつもほとんど覚えてなかったんですよね。だからサッカーノートで振り返れと言われても、それが出来ない 笑」って。

あぁ…彼女にそう言われるまで、こんなとてもシンプルなことに今までまるで気づいていなかった。

確かに、僕はいつも自分でも選手達にそう言ってる。
「試合中にとっさに無意識で出来るようになれば、それは本当に身についた技術ってことだかんな」って。

 

【 よくありがちな会話 】

「お前さっきのプレー凄かったな!あれ、狙ってやった?」
「いや、狙ってない」もしくは「覚えてない」

選手がそう答えた時に
「なーんだ、偶然かよ。まぐれか」となるのか、それとも
「おぉ、覚えてないってことは無意識で身体が勝手に動いたってことだから、それ、本当に技術が身についたことよ。スゲーな!」となるのか。

もちろん、僕は後者。無意識で出来たってことは、普段の練習で妄想を重ねながらやっていたことの積み重ねであり、頭で考えるより身体が先に勝手に動くということは、頭だけでなく身体がわかっている、ということだから。本当の習得。
10月の試合でも、そういうことがあった。

We can be adlibler:U-12・VIVAIO戦 〜 ふたつの無意識プレー

 

つまり僕に話してくれた彼女は、いつもそういう領域でプレーしていたということ。実際、当時はそんな会話いっぱいしてたしなぁ。

そして彼女はもちろん、僕が今まで教えた選手の中で断トツにスーパーなファンタジスタだったわけです。

 

【久保田コラム】全国大会で優勝するほどの才能を持っているのに、サッカーの楽しさを見失っていた女の子のはなし | FootballEDGE

 

そんな選手に「サッカーノート書いてプレーを振り返れ」って言っても無理だよ、って話ですよね。だってそういう選手は、頭で考えて決める前の、0.2秒の自由意志の中でプレーしているのだから。

 

wired.jp

あのプレーはこうだった、あぁだった、だからこうすればよかった…なんて書けるってことは、まだまだ頭だけでプレーしてる状態ということ。頭でっかち、と言ってもいいかも。頭でっかちな選手にしちゃいかん。そう思います。

 

頭でっかちな指導者が多いからそういう選手が多く育ってしまうわけで、だから僕はせめて、頭でっかちにならないようにしたい。
彼女の話が、また大切なことを思わせてくれた。やっぱり選手に教わることのほうが、圧倒的に多いのだ。そして僕はやっぱり、あいつには一生頭が上がらない。