相手を怖れる強さ
25日に行われた総合格闘技イベント「RIZIN」を観て思ったことなんですが
レスリング元世界王者・山本美憂の総合格闘技デビュー戦。相手はシュートボクシング無敵の女王・RENA。
山本美憂からすれば、ヘタにタックルに行けばカウンターでヒザが飛んでくるし
RENAからすれば、ヘタにパンチやキックを出せば潜られてタックルを受けるし
という、ギリギリの間合い勝負。このヒリヒリ感、観ていて本当に痺れた。
お互い相手の実力や実績を認めてるからこその、この間合い勝負だったと思うんですよ。相手をリスペクトしてるからこそ怖れるし、怖がる。だから尚更この相手に勝つにはどうすればいいかと必死に研究し必死にトレーニングしてきた同士にしかわからない空気感が、2人の間には流れていたような。
(C)RIZIN FF
(C)RIZIN FF
絞め落として勝った瞬間、何かから解放されたようなRENA選手の顔が印象的。
このように、スポーツには必ず『相手』が必要なわけで。
自分達さえ良ければいいってものじゃない。自分達さえ楽しめればいいってものでもない。相手がいることを認め、相手の力を認め、でも勝ちたいから、この相手を上回るために、自分達の良い部分を出そうというのが健全な姿だと思うんですよ。それが例え育成年代でも。
良い試合にするには、試合をしている双方の協力が必要。お互いの良さをリスペクトしてる同士じゃないと、お互いの良さも引き出し合えない。
まるで相手がそこに存在しないかのように自分達だけで楽しみ、盛り上がり、イキって終わる。そしてあげくの果てには、相手をバカにする行為まで繰り出す。
それを、個性だの技術の拘りだのと勘違いし強がっているようなチームが(指導者が)最近増えてきてると思う。自分の肌感覚ですが。
そんな技術も拘りも、偽物です。
最近こういうチームに遭遇することが多く、自分なりに思うところもあったので、RENAと山本美憂、この両者の潔い姿になおさら感動したんですよね。
(C)RIZIN FF
(この記事は、筆者が持つBlog『We can be adlibler 』にて2016年9月28日に掲載した内容に加筆、再編集したものです)