Neutral football

現実の殻を破る。フットボールと社会をつなぐ

イニエスタを平塚に観に行って、思ったこと

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いまだに、あのイニエスタが日本でプレーしてるというのが実感できない。
しかしここ2戦で連続ゴール、しかもその2ゴールはいきなりJリーグの歴史に残るようなスーパーゴール…と、予想以上にいきなりのインパクトを魅せてくれているイニエスタ

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もちろんイニエスタが今まで戦ってきたリーガエスパニョーラのレベルに比べれば、このJリーグはまだまだ質的に数段劣る。だから僕らだけがイニエスタのクォリティに驚いているだけで、当の本人にしてみたらごくごく当たり前のプレーをし続けているだけなんだろう。


8月19日(日)

とにもかくにも、せっかく超人イニエスタが生で観られるのならば見逃す手はない。数年前のクラブW杯、日産スタジアムで観て以来のイニエスタ(と、ポドルスキ)をお目当てに、平塚競技場へ行ってきました。プラチナチケットを手に入れてくれた大木さん、ありがとう。


この平塚競技場Jリーグを観るのは初めて。駅から直行バスは出てるし駐車場は無料だし(今後有料にするらしいけど)老若男女、ベルマーレカラーのユニを着た人達が試合開始前にスタジアム周辺でワイワイしてるあの感じを見て、あぁ、ベルマーレは地域に根付き出してるのねいう率直な印象を受けた。

しかしそれは別として、ベルマーレ、本気で湘南地域にしっかりと根付いていきJ1に定着し続けるつもりならば、いい加減に新スタジアム建設を本気で考えないといけないんじゃないか。僕はベルマーレサポでもないし湘南在住でもないので、余計なお世話かもしれないけれど。

さすがに建設は無理な話ならば、せめてスタンドの環境改善と修築くらいはしたほうがいいと思うな。


メインスタンドに自由席が設定されているけれど(僕らのチケットも「メイン自由席」だった)早く来た人が、座る人いないのにみんな荷物を横に置いてしまって、席がなかなか空いていない。だから空席を探すのにめっちゃ苦労した。常に満員を目指すのならば、それを想定して全席指定にすべきだろう。
そうすれば観客は席取りのために早くから来る必要もないし、並ぶ必要もない。
スタジアムに入る前、公園内でのスタグル(スタジアムグルメ)はとっても充実しているのだから、自由席の観客にもそのスタグルをゆっくり味あわせてくれないかと、切に思った。


一旦スタジアムに入ってしまえば、トイレも多くないし、売店のドリンクもフードも全然数が追いついていなくて、ハーフタイムには、メイン側の売店ではもう何もフードが売られていなかった。お腹すいた。。
そして、スタンドにビールを売りに来てもくれない。さすがにあれは困ったぜ…来てくれたら買う人いっぱいいるだろうに。スタンドでビールを売らないという、何かこだわりの方針でもあるのだろうか。


正直この日の僕はミーハー丸出しでイニエスタポドルスキ目当てで観に行ったけれど、僕のような「初・ベルマーレな一見さん」は、この日のスタンドにはたくさんいたでしょう。
その人達の心を掴めば新たなファンを獲得できるかもしれないのに、あのスタジアム環境では、劇場としての居心地の良さも楽しさも、ほぼ感じられない。少なくとも僕は、このスタジアムにはもう来たくないなと思った。正直、あれは快適に観戦できる環境じゃない。


オーロラビジョンも見にくいし、屋根ゾーンも小さい。本当にあれでJ1基準満たしてるんかね、という率直な疑問が湧いてきたけれど、これ以上言うと湘南サポからめっちゃ怒られそうなので、もうやめとこう。
それにしても、あのイニエスタポドルスキが、お世辞にも良いスタジアムとはいえない陸上トラック付きのピッチでプレーしてるギャップはかなりせつないものでした。


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試合開始。せっかく生で観れるのならばテレビでは観られないモノを観たいので、ボールがない時のイニエスタをずっと注目してたんだけど、とにかくあの人、首振りの回数が半端ない。ボールの動きに合わせ少しづつポジショニングを変えながら、常に首を振って周囲の状況を的確に把握しようとしてる。ボールを扱う技術よりも、状況の認知や把握 … というか、この状況下にいる自分自身を常に分かっていて、どう身をこなしていけばいいかを感覚的に表現してる感じ。うまく説明できない語彙力が恨めしい。

 

当然相手の動きも見切れてるから、ファーストタッチで相手を止めて、ツータッチ目で逆を取っちゃう。当たり前だけど、ちょっと質が違いすぎる。

 

そしてイニエスタが一番観てたのは、主に味方の位置。中でも同じ左サイドでコンビを組む、左ワイド古橋の位置。イニエスタにボールが渡ろうとする時点で古橋は動き出す。その古橋を、イニエスタもしっかり観てるし分かってる。

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ジャストなタイミングで古橋にスルーパスが通るシーンはそう多くはなかったけれど、古橋の動き出しの質が今後磨かれていけば、イニエスタ-古橋ラインでのゴールがたくさん見られそうだ。

攻撃面ではもちろんのこと、守備時も、古橋に対して戻る位置とかポジショニングのことを、身振り手振りで何回も指示してた。

 

古橋享悟。7月までは、J2でも下位にいるFC岐阜でプレーしていた。7月21日に三ツ沢で行われた「横浜FCFC岐阜」の試合、自チームの選手達を連れて観に行き、岐阜は敗れたものの、古橋が魅せるプレーにうちの選手達は虜になっていた。

数週間前まで下部リーグにいた選手が、今ではJ1上位にいるチームに引き抜かれて、しかもレジェンドの域にいるイニエスタポドルスキとプレーしてる。

 

フットボールには夢がある。


イニエスタに鍛えられ、イニエスタに磨かれて、古橋享悟、いずれ大化けするのは間違いないと思う。

 

さて、ヴィッセルの先制点のシーン。最近の2試合でイニエスタが決めたゴールと同じく、ポドルスキからイニエスタにボールが渡るところから。この時点でベルマーレDFの目と姿勢は振り回されていて、しかもその行き先が超人イニエスタだから…ベルマーレの選手達は頭も体もフリーズ状態にさせられてる。

そしてここからイニエスタがCF長澤にクロス、その落としをMF三田が走り込んで決めたのだけど、イニエスタは、長澤と三田が「繋がった」(三田が反応し出した)タイミングを見計らって出してる。

 

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パスはただ出せばいいんじゃない。受ける味方がプレーを成功できるタイミングまで待って、そのタイミングを逃さずに渡し届けるのが、本当の良いパス。

 

早く出せよー、とかいつもつい口にしちゃう日本のコーチ達は、こういう「パスの肝」を、子ども達にもっとしっかりと教えられるようにならなきゃいけない。そのために、ボールを持てる技術が必要になってくるわけで。


この日のイニエスタで一番印象的だったのは、後半にベルマーレの時間帯が続き、決定機をつくられてあわや失点というピンチの後、イニエスタがさりげなく最終ラインまで下がってボールを受けたシーン。この位置まで下がったのは、この時だけだった。

CBの間に入ってボールを受けたイニエスタ、そこでゆったりとパスをつなぎ、ベルマーレのリズムをあっさりと断ち切ってしまった。何気なくさりげないパス交換だったけれど、あのシーンは本当に印象的だった。

 

イニエスタのことばかり書いたけれど、ルーカス・ポドルスキ、彼は本当にうまい。
子ども達や若い選手達の、良いお手本になる選手ですよね。


これから良いサイドバックを補強すれば、もっとイニエスタポドルスキが活きてくるはず。当然フロントはもう動いてるだろうけれど…次のインパクトは誰でしょか。
言い方には語弊があるかもしれないけれど、こういう「金にモノを言わす」クラブがあっても、僕は全然いいと思う。育成部門にも、相当メスを入れ始めてるらしいし(知人も、最近引き抜かれて神戸へ旅立ちました)

 

ヴィッセル、今度は練習も観に行きたい。

 

sportiva.shueisha.co.jp

 

スタジアムのことは酷評してしまったけれど、ベルマーレ曹貴裁監督の試合後の談話を読んで、感動した。こんな「指導者」のもとでプレーできて、ベルマーレの選手達はきっと幸せを感じているんじゃないだろうか。ぜひご一読を。

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