Neutral football

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一ヶ月Offにした本当の理由 〜 本気とは、大切にするもの

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筆者が代表を務めるクラブ「SUERTE juniors 横浜」では、7月の合宿終了から、1ヶ月まるまるOff期間としていました。

1ヶ月もOffにした理由は幾つかあって、せっかくの夏休みなんだからサッカー漬けになるんじゃなくていろんな遊びをしてほしい、旅行も映画も花火も女の子を誘うことも少しの《悪さ》も冒険も、夏休みは普段の何十倍もやれる時間がある。なのにそれやらんのはもったいないやろー、という不良中年の不真面目な妄想と願望と、日本の育成年代にも《シーズンオフ》の概念を持ち込みたいというお真面目の両方。

休むことで心身ともにリフレッシュすること、さらに、リフレッシュだけでなく身体の成長に有効というデータもあるし、怪我の予防にもなる。
そもそも、日本はもはや亜熱帯気候。30度以上の猛烈な暑さの中で無理にサッカーする必要も、僕はあまり感じない。

でもまだ、ほとんどの多くのチームは「夏に鍛える!」とばかりに、普段以上に子ども達をサッカーで追い込むチームが多い(あくまでも主観だけどね)

もちろん、うちだけじゃなく夏をまるまるOffにしているジュニアチームは他にもあるけれど、まだまだ、本当にまだまだ少数。
ならば、自身のBlogやフットボールエッジなどで多少の《発信する媒体》がある自分が、自身のクラブで実践しそれを発信することで、少しものバタフライエフェクトを起こせればという生意気な思いで、あえて世間様にも大々的にOpenにしてから、夏休みをまるまるOffにするという試みに至ったわけです。

実際のところ「賛同します」「自分もそうしたいんですけど、チームが許してくれなくて」などメッセージを寄せてくれる人が多かった。取材をさせてほしいというオファーもあった(結局ボツになったけど)正直、反対意見は届かなかった。少しは欲しかったけれど。
もちろん、こういう試みをこころよく思わない人からは最初から見向きもされず、ハナからシカトされていた、ということなんだろうけども。

別に全てOffにしなくても、程よく休みを取ってうまくやればいいじゃんかという《ちょうど良い》意見もあるにはあったけれど、何かの起爆剤になろうと思ったら程々じゃダメで大きなインパクトがなきゃ伝わらない。だから思いきって、1ヶ月まるまる全てOff、という形を選んだわけです。

・・・
と、ここまではあくまでも 外向けの理由。こういうオルタナティブなこと言ったり他がやってないことやると反応が大きいですからね。

もちろん全て嘘偽りは一切なく本心そのものだけど、上に書いたような理由以上に、夏休みをOffにした一番の大きな理由は、もちろん、うちの子ども達に対して僕が抱いた思いから。

どういう思いかといえば、子ども達に《本気》を見つめ直してほしかったから。

本気 という言葉は、ただ単純に一生懸命やるとか必死にやるとかガムシャラに打ち込むとかそういうことではなくて、書いて字の如く、本当の気持ち 。これが本気という言葉の本当の意味だぞと、子ども達には夏休みが終わった後の練習から、よく言ってます。

本当の気持ち。
自分のサッカーに対する 本当の気持ち って、どんなものなのか。一番大切なものなのか、二番目に大切なものなのか、単なる習いごと感覚か、それとも、将来必ずサッカー選手になってやるという気持ちなのか。サッカーと自分の関係性というか、それぞれ自分の中でサッカーというものがどういう位置を占めていて、自分が成り立つ上で、サッカーは欠かせないものになっているのかどうか。

サッカーに対する 本当の気持ち を見つめ直し、思い直し、サッカーを始めた頃の本来の気持ちに立ち返ること。あ、本来の気持ちも、略せば《本気》になりますね。

本当の気持ちに気づくには、ある程度の期間、サッカーから離れないと決して気づけない。
「離れてみて初めてわかる」っていうこと、たくさんあるじゃないですか。親の有り難みとか、友達の大切さとか、日本の良さとか、その他もろもろ…

サッカーもそうだと思うんです。普段、当たり前のように決まった曜日にサッカーがあって、当たり前のようにサッカーをして、当たり前のようにグランドがあって、当たり前のようにチームメイトがいて、コーチがいて、当たり前のように試合も組まれて

日常に慣れてしまうと、本当の気持ちをつい忘れがちになってしまう。つい、疎かにしがちになってしまう。
だから、一度長い期間サッカーから離れることで、子ども達の中で「サッカーに対する本当の気持ち」が自然に湧き上がってくるような、自然に思い起こされて沸々と燃えたぎってくるような
「あ、俺やっぱりサッカーすごい好きかも」という、初めて気づく新鮮な気持ちに出会えるんじゃないか。

そう思って、1ヶ月という長いOff期間をつくったんです。
でも、あくまでも自然に気づくこと、自然に湧き上がってくることが大事と思って、だからこういう理由で夏休みOffにるんだよとは、夏休み前には言わなかった。休みが明けて、子ども達の姿や言動、そしてプレーそのものから、それを感じ取りたいなと思っていました。

そして休みが明けた。もう解禁
それぞれが持つ「サッカーに対する《本当の気持ち》を大切にプレーしてほしい」
と、練習のたびに言ってます。自分の本当の気持ちに基づいて、プレーするんだと。

休み中、本当の気持ちに気づいた子は僕からのこの言葉に対し敏感に顔が変わるし、目つきが変わってくる。
もっとすごい子は、僕から言われなくてもすでに、休み前とはプレーが変わっていた。目つきが変わってた。

で、本当の気持ちうんぬん…はひとまず置いといて、子ども達ほぼ全員、夏休み前とは大きく変わったことがある。それは落ち着きというか、立ち振る舞いや表情一つ一つに、とても余裕と大きさを感じるようになってます。これはたぶん気のせいじゃなくて、本当だと思う。サッカー以外のものにたくさん触れた好影響は、必ずあると思う。

で、その余裕や落ち着きが備わったところに加えて、本当の気持ちに気づいたパワーが備わり、なおかつ身体的にも成長してるから、当然、プレーの一つ一つに強さやキレ、リアリティー度が表れてくる。もちろん、休んだぶん、疲弊もしていなく逆に超フレッシュな状態。
そんな成長が、休み明けの子ども達を見てとても強く感じ取れてるんです。

9月冒頭、いきなり試合に出かけました。正直、みんな頭がほとんど働いてなかった。試合勘というのはこれだけ鈍るんだなというくらい、単純なミスも多かった。
でも
ほとんどの子が、サッカーに対する本当の気持ちに気づいた状態で試合に来てた。だから頭は回らなくても、試合勘が鈍りまくりでヘロヘロになりながらも、今ある技術と《本気》だけをフル稼働させてなんとかやり切った、という試合だったんです。

そんな彼らの姿を見て、口では「全くダメダメじゃんか」と冗談を言いながらも、内心ではものすごく情が溢れかえってた僕でした。
彼らに対する僕自身の《本当の気持ち》にも、この休みで、そして休み明けの彼らの姿から、僕は改めて思い直し立ち返ることができた。


この休みで僕自身もアップデートされてる。これからそれを、彼らと一緒にダウンロードしていく毎日が始まる。

本気とは、本当の気持ち
これは僕が思いついた迷言なので、使用する場合はギャランティー戴きますので事務所までご一報ください 笑

 

(この記事は、筆者が持つBlog『We can be adlibler 』にて2016年9月14日に掲載した内容に加筆、再編集したものです)