Daisuke Kubota 〜 Neutral football

Footballで社会をつなぐ。現実の殻を破る。日常を笑い飛ばそう

今に見とけよ、の積み重ね

2年前のブラジルW杯、日本のグループリーグ敗退が決まった直後に書いたコラムです。

コロンビアに負けたあの日が、1999年から始まった15年間のひと区切りだったと、個人的には思う。

ブラジルW杯から早2年。果たして日本サッカーは変わったのか?という観点で、ご笑覧下さい。

 

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2014ブラジルW杯日本代表(コロンビア戦)

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コートジボワール戦、本田のゴール

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コロンビア戦。3失点目で、事実上のジ・エンド。
そして天才ハメス・ロドリゲスにとどめを刺され、僕らの代表のW杯は本当に終わった。

 

話はいきなり15年前に話は遡りますが
1999年、ナイジェリアで行われたU-20W杯(当時はまだワールドユースと呼ばれていた)で、日本は準優勝した。
フル代表監督であるトルシエがこの世代も指揮を取り、小野伸二、稲本、小笠原、高原、本山、中田浩、稲本、永井雄一郎、そして、当時19歳(20歳かもしれないが)の遠藤保仁といったような、才能溢れるワクワクなメンバーが揃っていた。

決勝トーナメントでメキシコ、ウルグアイを破って決勝進出。そして決勝の相手はスペイン。若き日のシャビもいた。

 

あくまでも僕個人の想いだけど、この99年夏のスペインとの決勝戦から昨日のコロンビア戦の敗戦までは繋がっていて
ようやく昨日で、この15年に渡る一つの冒険に区切りがついたんじゃないかなと思うんです。

あの決勝戦、開始早々GK南が「5ステップ」の反則を取られて失点。普通そんなの取らないでしょ、というファールを、どこの国のレフェリーだったかは忘れたけど、見事に狙われて吹かれたなと、当時の僕は思った。
あの試合、日本はほとんど何もさせてもらえず、スペインにチンチンにされ相手にもされず、なす術もなく0-4で敗れた。
レフェリーからもスペインからもそして世界サッカー界からも

「まだまだお前らはここに来るのは早いんだよわかったか」

と言われているようで、夜中にTV観ながら本当に悔しかった思い出がある。
この悔しさを日本中のサッカーコーチが共有して明日からそれぞれに出来ることをしていかなくちゃいけない、みたいなことを当時のBlogだったか何かに書いた記憶もある。

僕はその年の春に自分でSUERTE juniorsを立ち上げたばかりで、当初はまだ選手は小学1年生3人だけ。でも、あの屈辱のスペイン戦を観て、俺にできることをここから始める、そしていつかひっくり返してやるぞ、と思い奮い立った。今に見とけよ、と。

あれから15年。当時サッカー少年だった本田や香川、内田、長友あたりが今では日本の中心となり、ヨーロッパでも活躍し、史上最強の日本代表を結成して今回のブラジルW杯に挑んだわけです。
あの時19歳でスペインとの決勝の舞台にも立っていた遠藤は、代表としてのキャリアの最後を迎えようとしている。15年の集大成。

もちろん99年以前からもずっと「今に見とけよ」を繰り返してきて、その積み重ねでJリーグが創設され、ドーハの悲劇を経てジョホールバルへ繋がり98年のフランスW杯に初出場を果たし、そしてまた世界の舞台で惨敗し、という歴史を繰り返してきた。99年以降も、ずっとその繰り返し。
「今に見とけよ」を日本中のサッカーコーチ達が共有してると信じて、僕らも草の根で目の前の選手達に本気でぶつかりながら、少しでも日本サッカー界の発展に寄与できれば、という思いでやってきた。

でもそれが、いまいち共有できていなかったのかもしれない。育成畑の話だけでなく、ファンやメディアも含めて。まだまだ未熟だ。

当時から見たら目覚ましい進歩を遂げた日本サッカーだけれど、でも、根本のところでは、あまり変わっていなかった。変えられていなかった。
日本代表レベルの選手達ですら、サッカーの本質を見極め実行していくチカラはなく、戦うメンタリティーは染み付いていない。もっと大きく言えば、日本という国に、サッカー文化そのものが根付いたとは未だに言い難い。

その未熟さをそのまま表すのが代表チームだとしたら、今回の敗退は致し方なかったのかも。
だからザッケローニさんのせいでもなく代表選手達のせいでもなく、僕ら全ての負け。ザックや選手達を誹謗中傷している人達は間違ってる。
僕らは育成コーチとして負けた。まだまだ足りなかった。正しいと思ってやってきたことが正しかったかどうかはわからないし、信じてやってきたことがどんなバタフライ効果を起こしたのかも今はわからないけれど、それが、まだまだ未熟で足りなかったということ。そこに尽きる。

だからこそ未来に繋がる。サッカーは続くし、W杯だけがサッカーじゃない。Jリーグをもっと盛り上げないといけないし、自分が関わっている選手達、子供達ともっともっと本気で向き合ってぶつかり合って、彼ら彼女らが毎週末迎える身近な試合でも全力で戦わないといけないし、そこから学んで、また日々の練習を積み重ねていく。

サッカーの自由さを伝えながら、日々を過ごし自分に出来ることを積み上げてくこと。少しずつでもサッカー文化が定着して、積み重なって、結局はそれだけが、4年後、8年後、それ以降にも繋がっていくのだと思う。


今に見とけよ、を積み重ねよう。

 

(この記事は、筆者が持つBlog『We can be adlibler 』にて2014年6月26日に掲載した内容に加筆、再編集したものです)