Neutral football

イメージした理想が現実を塗り替える。フットボールと社会をつなぐ

現場のサッカーコーチから、田嶋会長へ ②

(画像はグノシーより) ハリルホジッチ監督をいきなり解任したJFA、特に田嶋幸三会長への怒りに任せて、前回書いたコラム。 「会長として、どんな時でも、日本サッカーの発展を考えないといけない」 会見でこう言い放った田嶋会長に対し「それ言うなら、ま…

言葉の大切さと奥深さ 〜 園児が教えてくれること

ある日の園児練習にて。 園児と練習してる時、上の画像のようにコーンをゲートに見立て、その間を通る時にスピードを上げるような見本をまず僕がやってみせて「今どんな感じでやってた?」と聞けば彼ら「ゆっくりと、速く」と答えが返ってくる。では「そだね…

現場のサッカーコーチから、田嶋会長へ ①

(画像は産経ニュースより) 日本サッカー協会(以下、JFA)の田嶋会長は、ロシアワールドカップに勝つためだけに、この時点でハリルホジッチ氏を切ったわけではないだろう。 ハリルホジッチ氏から冷遇されかかっていた選手達からの直談判メールを受け、さら…

運動神経よりも、自信があるかないか

優勝後の、ロンダートからのバック転(2018.3.4) 近頃よく思うのだけど、子ども達に対し、俗に言う「運動神経がいい」「運動神経が悪い」という言い方や評価の仕方はあまり正しくなく、結局のところは 「自信がある」のか「自信がない」のか。 と、いうこと…

大道芸を練習していた人のこと

世田谷区と杉並区の境目あたり、住宅街の中に突如現れる広大なグランド。ここは予約も要らず利用料金も要らず、制限もなく、そのかわり利用者同士お互いに譲り合いながら使ってくださいね、という場所。 だからうちらみたいにサッカーしてる団体もいれば、一…

攻撃と守備の概念は逆じゃないのか

Offenseを「攻撃」Defenseを「守備」と訳し、その文字の見た目と響きのままに解釈してしまっているから、日本のサッカーは、ちょっと厄介なことになってる。 言葉をひっくり返そう。 「攻撃」は、こちらがボールを持たない時。相手のボールを攻めに行く。 「…

井の中の蛙

先日行われたU-12の県大会にて あの試合、特に後半うちの選手達は相手に対し今までにないくらい激しく強い寄せをずっと繰り返して、それが後半の失点ゼロに繋がったのは間違いないのだけれど、少し遅れてアフター気味に行ってしまったり、気持ちが抑えきれず…

なぜ日本は子どもを練習漬けにしてしまうのか?燃え尽きる高校生が出る理由

スポーツメディアのVICTORYさんからご依頼を受け、書かせていただきました。 victorysportsnews.com あくまでも現場で感じるものを書いたので、一概に「少年サッカー」を全て括って批判しているわけではないのですが、この記事が届いてほしい人は、身近にも…

本能を探り起こす言葉があるのかもしれない

以前、こんな記事を書きました。 この記事内でも書いたように、言葉選び一つの違いで、子ども達への伝わり方はまるで変わってきてしまう。 僕ら指導者、つまり「人に何かを伝える」立場にある者は、言葉選びが最も重要な要素ではないか。もちろんそれで失敗…

再び、今に見とけよの積み重ね

『 今に見とけよ、の積み重ね 』 2014年6月、ブラジルW杯コロンビア戦に敗れ予選敗退が決まった後に書いたブログです。来年のロシアW杯の初戦でまたコロンビアと当たるという、神様のイタズラな巡り合わせに、思わず再掲。 あの時に思った「今に見とけよ」は…

君たちはどう生きるか

吉野源三郎 著『君たちはどう生きるか 』を読みました。 君たちはどう生きるか - Wikipedia 80年前に書かれた、歴史的名著。ただ恥ずかしながら自分がこの作品を知ったのは、ジブリの宮崎駿監督が引退を撤回し、この作品をモチーフにした次回作をつくる、と…

聖和の流儀

カンゼン社から出版された『 聖和の流儀 』を献本して頂きました。Y編集長、ありがとうございます。 興味深く読ませて頂きました。せっかくなので感想書きます。 聖和を語る上でどうしても外せないのが、2016年1月に行われた全国高校サッカー選手権の1回戦、…

ちゃんとさせたがりな大人達

ジュニアサッカーの現場では、ちゃんとさせたがり 、な大人達によく遭遇する。 例えば試合前のメンバーチェックで、うちはユニフォームの『シャツ出し』をいつも注意される。熱中症対策のためにもシャツ入れはもうしなくていいルールなのだが、未だに多くの…

再掲・このコラムを始めた理由

自分は久保田大介といいます。世田谷生まれの世田谷育ち、でも18年前に何のゆかりもない横浜でJrサッカークラブ・SUERTE juniors 横浜(現在はスエルテ横浜)を立ち上げ、代表とヘッドコーチを兼任しながら、今に至ります。 スエルテ横浜・オフィシャルブロ…

サッカーコーチがギターを練習して発見したこと

ギターを練習していて発見したこと。 なかなか弾けない難しい曲があった場合、その曲が弾けるようになるまで練習する…のではなくて、さっさとそれは諦めて別の曲に挑戦する。で、その新たな曲が弾けるようになったり、すでに弾けるようになっている得意な曲…

写真家 チェ・ゲバラが見た世界

『 写真家 チェ・ゲバラが見た世界 』に行ってきた。 che-guevara.jp 僕の中でゲバラは「自由な人」の象徴。ゲバラこそ、自らの由縁に素直に生きた人。 キューバ革命に参加する前に旅した南米の写真や、キューバ革命を成功させカストロからキューバ国籍を与…

民主主義思考とパスの意味

先日初めて会った池川君が、教員生活で一度も教科書を使わなかったという樋渡直哉先生の「平凡な自由」という本をプレゼントしてくれたことを、前の記事で書きました。 neutralfootball.hatenablog.com それを彼が樋渡先生にも知らせてくれたらしい。そして…

平凡な自由

『 楽しさに満ちていた学校が急に色あせて見え始める。それでいいんだ。そのうち担任がくだらん凡人に見えてくる。それはもっとすばらしいことだ。君たちの人生から学校で習ったことを全部取り去ると、そこに残るのが君たちの人格と教養だ。君はいま、それを…

子どものやる気を引き出す7つのしつもん

友人の藤代さんが 子どものやる気を引き出す7つのしつもん という本を出しました。 http://shimt.jp/book/ 献本までしてもらい、感想をお願いされていたのにずっと読めずにいて昨日ようやく読むことができたので、感想書きます。 --------------------------…

上達への近道は、別腹の時間をつくること

自分はサッカーコーチだけれど、家に帰ればサッカーのことはほとんど考えない。サッカーが仕事になっているからこそ、サッカー以外の生き甲斐や趣味に対して割く時間を、より大事にしたい。 最近はギターを買って、家に帰ればギターばかり弾いて練習してる。…

ある青年の答辞 〜 自由であること

福岡県糸島に移住したアミーゴの有坂さんから、つい最近、ある青年のことを紹介されました。 8年前、その青年が高校の卒業式で卒業生代表として答辞を読んだ時の、その答辞全文と、壇上では話されることのなかった「付け足し」です。 その時の、有坂氏のブロ…

結局すべては人。だから信用できない

最近話題になった教育勅語について。 まず「教育勅語には良いことも書いてある」とか言う人は、教育者としても指導者としても、失格だと僕は思う。 文章には「前提」というものがある。書く側の立場をもとに、こういう結論に持っていきたいという前提。その…

自分一人ではリセットできないことを知る旅

伊勢にいたる時、人はそこに、日本の本然の姿を発見するであろう。川下より源流に遡る道である。(忘れちゃったけど誰かの言葉) ------------------------------ 年度始め。4月1日から3日までが、自身つかの間のOff期間。 今年はスエルテも一般社団法人にす…

音楽もスポーツも、喜ぶためにやってるんだぜ

喜びを表現するための音楽、スポーツ、サッカー。今回はそんなお話。 HOTEI (布袋寅泰) JUSTY ~ NO NEW YORK (LIVE) DRUMS 高橋まこと これは2012年2月、さいたまスーパーアリーナで行われた布袋寅泰デビュー30周年記念Liveの映像。 中学生の頃からのBOØWY…

触らないドリブル 〜 久保裕也の凄さ

KAA Gent Kubo 久保裕也スーパーゴール4人抜きゴール!KAAヘント対KVメヘレン 先日、ベルギーリーグで久保裕也が魅せた4人抜きゴール。このゴールは日本人選手があげたゴールの中では、近年稀にみるスーパーゴールだと思う。 では、このゴールのどこがどう凄…

ちゃんとした結果が僕です

TBSドラマ「カルテット」より。 このドラマ、今めっちゃハマってます。その面白さを書けって言われたらたぶんまたいつもの悪い癖ですごい長文書いてしまうんで今日のところはやめときますが(最終回終わったらたぶん書く) 今週放送された第9話。「うちら、…

ひとつのstyleを押し付けること

昨今話題の塚本幼稚園、あの園で行われている愛国教育は、偏狂的といってもいい。あそこまでいくと、もはや教育ではなく、洗脳だ。 サッカーの育成年代でも「ひとつのstyle」を押し付け、それこそが唯一の正解かのように指導しているチームをよく見かけるが…

すべて国民は、個人として尊重される

心が追いつかない、死にたいと相談も受けていたというのに、ワイドショーを見ると「突然辞めて、どれだけの人に迷惑かけると思ってるんだ」との論調ばかり。SNSを見ても、一般の人でもそういう論調の人は結構いる。 あぁ、こういう人達が日本全体に蔓延るブ…

夕凪の街、桜の国

「この世界の片隅に」原作者のこうの史代さんが2007年に描いた「夕凪の街、桜の国」を読みました。 昭和30年の広島から物語が始まり、原爆で人生を狂わされた家族と、ずっと続いていくその子孫の物語。被爆者差別の現実を描いていて、「この世界の片隅に」よ…

靖国神社と遊就館に行ってきた

最近歴史に関心があって、特に、日本の近代史にとても興味がある。幕末から明治維新を経て、太平洋戦争まで。いろんな立場や史観があるけれど、自分のスタンスだけに強情になる前に、もう少し「逆側」の立場のものを見てみたいと思い、そんな象徴の場所でも…